エシャッペ・ベルは、特別なにスケールの大きいレースである。普通のトレイルランとは比較で きない。その厳しさを例えるならその景色の美しさと同じくらいの高いレベルだ。ベルドンヌの 山岳地帯の草原に点在する岩場を縫って走るコースである。休みなくただただ上りと下りの連続 だ。そして岩、岩、岩との戦いだ。
この世のものとは思えない美しく荘厳な景色と興奮を心ゆくまで味わいながら、ひたすら岩や砂 利と格闘する。非情な苦しみと喜びが入り混じる、聖なる岩場の世界へようこそ、地獄と天国の 入り口である。


ここで敢えて言っておくが、トレイルの世界チャンピオン、シルヴァン・クールがUTMB(171k m)を19時間でフィニッシュしたのに対し、エシャッペ・ベル(144km)は28時間をかけてい る。望月省吾は30時間もかけている。このレースには相当の覚悟が必要なのだ。 志し新たに日本に戻った僕は、美しい地域や国を体験するには、このような壮大なレースに参加 するのが何よりの方法だとしみじみと感じたのだった。
日本に移住して4年、幾つものトレイルレースに参加してきた。そうして、多くの素晴らしい地方 を訪れることができ、数知れぬ愛すべき人々と出会い、その地域の特産物を楽しむこともでき た。私は今、この経験をもとに、外国人ランナーたちが、日本を訪れ同じ思いをしてくれるべく 微力ながらもお手伝いできないかと画策中である。が今回ばかりは、日本の皆さんにこのフラン スでのレースをご紹介しようとこれを書いている。トレイルランナーとして、この「エシャッ ペ・ベル」を経験しないわけにはいかない、それぐらいの価値があるおすすめのレースである。 どうかフランスまで「エシャッペ・ベル」を走りにいらしてください。きっと後悔することはな いはずです。
できれば完走、または走ってみるだけでも。是非来年のエシャッペ・ベルでお会いしましょう。
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